監修:国家公務員共済組合連合会 虎の門病院 分院長
熊田 博光 先生
ペグインターフェロン・リバビリン併用療法の実施に際しては、治療前、治療中および治療後の検査が必要です。
治療前
治療法の適応を確かめるために、(1)肝機能(肝炎の程度)、(2)C型肝炎ウイルスの有無、(3)C型肝炎ウイルスの量、(4)ウイルスの遺伝子タイプを調べる血液検査が行われます。同時に、(5)治療に影響する他の病気がないかどうかの血液検査を行います。
治療中
上記(1)と(2)の検査で治療効果を確かめる一方、(5)の検査で治療による悪影響がないかどうかチェックします。
治療後
(1)と(2)で効果の確認と再発の有無を確認します。
治療前、治療中、治療後の主な血液検査
| 検査項目 | 検査の目的 | 正常値の目安 | 血液検査の頻度 |
|---|---|---|---|
| (1)肝機能検査(血液検査) | |||
| ALT(GPT) (治療前・中・後) |
肝細胞が壊れている程度をみます。この数値が高いと炎症が強いことを示しますが、肝臓の障害程度とは無関係です。 治療効果の判定に不可欠です。 |
ALT 35IU/L以下 | 少なくとも 4週間に1度 |
| ウイルス検査(血液検査) | |||
| (2)ウイルス定性検査 [PCR法] (治療前・中・後) |
血液中のC型肝炎ウイルスの有無を調べます。 | 適宜 | |
| (3)ウイルス定量検査 [b-DNAプローブ法、アンプリコア法またはコア抗原法] (治療前・中・後) |
血液中のC型肝炎ウイルスの量を調べます。 治療効果の予測、治療効果の判定に使います。 |
||
| (4)ウイルス遺伝子型検査 (治療前) |
感染しているウイルスの遺伝子タイプを知り、治療効果の予測の参考にします。 | ||
| (5)血液学的検査(血液検査) | |||
| ヘモグロビン(Hb) (治療前・中・後) |
治療に伴う貧血の有無、程度を調べます。 | 13〜18g/dL(男) 11〜16g/dL(女) |
投与開始8週間は 毎週、その後は 4週間に1〜2度 |
| 白血球数(WBC) (治療前・中・後) |
治療に伴う白血球減少の程度を調べます。 | 3,100〜 9,000/mm3 |
|
| 好中球数 (治療前・中・後) |
治療に伴う好中球減少の程度を調べます。 | 1,200〜 5,800/mm3 |
|
| 血小板数(PLT) (治療前・中・後) |
肝炎の程度と、治療に伴う血小板減少の程度を調べます。 | 14万〜38万/mm3 | |
| 遊離トリヨードサイロニン(FT3)※ (治療中) |
治療による甲状腺機能への影響の有無を調べます。 | 2.5〜5.5pg/mL | 投与開始後は 12週間に1度 |
| 遊離サイロキシン(FT4)※ (治療中) |
治療による甲状腺機能への影響の有無を調べます。 | 0.8〜1.8ng/dL | |
| 甲状腺刺激ホルモン(TSH)※ (治療中) |
治療による甲状腺機能への影響の有無を調べます。 | 0.3〜4μU/mL | |
肝機能検査には、この他にも血液中の蛋白質などをみる種々の血液生化学検査、超音波検査、CT、肝生検(針を刺して肝臓の組織を調べる)などが行われることがあります。治療に影響する他の病気の検査には血液検査のほか、X線や心電図などが行われることがあります。なお、正常値の目安は医療機関によって異なる場合があります。
※ FT3、FT4は甲状腺ホルモン、TSHは甲状腺ホルモンの分泌を促進するホルモンです。FT3とFT4が高値でTSHが低値の場合は甲状腺機能亢進が疑われ、FT3とFT4が低値でTSHが高値の場合は甲状腺機能低下が疑われます。

