C型慢性肝炎とその治療 C型肝炎ウイルス陽性とは

監修:大阪府済生会吹田病院 院長
岡上 武 先生

C型肝炎ウイルス陽性で肝機能異常のない方へ

C型肝炎ウイルス陽性の方の中には、慢性肝炎や肝がんで治療中の方のほかに、肝機能異常のない方、つまり肝機能の目安であるALT(GPT)値*1が基準値以下の方もいらっしゃいます。今まで、肝機能異常がない場合には、定期的な検査のみで積極的な治療は行われていませんでしたが、最近、その多くの方において肝臓の線維化*2が認められたり、数年内にALT値が基準値を超えて高くなったりして、肝炎が進行することがわかってきました。

C型慢性肝炎の場合、一般に病気が進行してしまうと、肝臓の線維化の程度が強くなり、肝硬変を経て肝がんが発生する可能性が高まります。日本では、この肝がんによる死亡者数が、1年間で4万人近くになっています。C型肝炎ウイルス陽性でALT値が基準値以下の方については、肝硬変や肝がんへの進行を食い止めるために、病態の経過および治療について理解を深めることが重要です。

  • *1 ALT(GPT)
    肝細胞に多く含まれる酵素で、血液中のALT値が肝機能障害の程度(肝細胞の壊れ具合)の目安とされています。C型肝炎ウイルスに感染すると肝臓で炎症が起きて肝細胞が壊され、その結果肝細胞に多く含まれるALTという酵素が血液の中に流れだします。基準値(正常値)は医療機関によって異なりますが、およそ33〜40IU/L以下と設定されています。しかし、本当に正常の方は30IU/L以下です。
  • *2 肝臓の線維化
    肝臓で炎症などが起こって肝細胞が壊れると、そこを修復する細胞が増えますが、その部分は線維化して硬くなります。肝炎が重症になればなるほど線維化が進展しますので、肝炎の重症度の目安となっています。線維化は、肝臓の生検によって判定されます。線維化がない状態をF0、軽度の線維化をF1、中等度の線維化をF2、高度の線維化をF3であらわし、肝硬変ではF4となります。

C型慢性肝炎の自然経過

(図)C型慢性肝炎の自然経過

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