監修:国家公務員共済組合連合会 虎の門病院 分院長
熊田 博光 先生
ペグインターフェロンは、インターフェロンにポリエチレングリコール(ペグ)※という物質を結合させ、インターフェロンの血中濃度を長時間安定に維持し、週1回の注射(皮下注射)で優れた効果が得られるように作られた新しいインターフェロン製剤です。リバビリンは単独使用ではウイルスを排除する力はほとんどありませんが、インターフェロンと併用することによりそのウイルス排除効果を増強します。インターフェロン療法の開始と同時に服用を始め、体重に応じて1日3〜5カプセルを、朝夕食後の2回に分けて24〜48週間服用します。
ペグインターフェロン製剤には、ペグインターフェロンアルファ-2bとペグインターフェロンアルファ-2aの2剤があります。ペグインターフェロン・リバビリン併用療法はウイルス遺伝子型(ジェノタイプ)1型(セログループ1)でウイルス量の多い患者さんに用いられます。しかしながら、リバビリンとの併用療法は、妊婦または妊娠している可能性のある女性の患者さんには使用できません。
インターフェロン単独療法が効きにくいウイルス遺伝子型(ジェノタイプ)1型(セログループ1)で、ウイルス量の多い患者さんにペグインターフェロン・リバビリン併用療法を48週間続けたところ、50〜60%の患者さんでウイルスが排除できました。従来のインターフェロン単独療法(2〜5%)やインターフェロン・リバビリン併用療法(20〜30%)に比べてはるかに高い効果が期待できます(詳しくは「ペグインターフェロン・リバビリン併用療法」の項で紹介します)。
※ペグ(PEG)とはポリエチレングリコールという体に無害な高分子の物質で、これをインターフェロンに結合させることで、インターフェロンの体内での持続時間が延長します。
インターフェロンの副作用の中で最も多いものは、投与初期にみられる「インフルエンザ様症状」です。インフルエンザにかかったときのように、発熱や全身のだるさ、悪寒、頭痛、関節痛などがみられます。治療を始めて数日間が最も強く、次第に軽くなってきます。この副作用への対処を含め、検査や経過観察のために最初の1〜2週間は入院治療がすすめられています。2週目以降も全身のだるさや食欲不振が続くこともありますが、注意が必要なのは抑うつ状態です。不眠やいらいら感が抑うつ状態の徴候である可能性があります。
その他、糖尿病の悪化や甲状腺機能異常(動悸・発汗・むくみ)、またまれにですが、間質性肺炎※1(咳・呼吸困難・微熱)がみられることがあり、こうした症状がみられたらすぐに主治医に連絡して適切な処置を受ける必要があります。また貧血、白血球減少、血小板※2減少などの血液の異常がみられることがありますが、多くの場合その程度は軽く、そのまま治療が継続できます。インターフェロン療法では必ず何らかの副作用を経験することになりますが、医師の指示どおり定期的に検査を受けて、何らかの異常に気づいた場合は必ず医師に相談することが大切です。
リバビリンでよくみられる副作用には貧血があります。投与期間中は定期的な採血によってヘモグロビン値※3の推移を観察します。その他、発疹あるいは食欲不振、吐き気などの消化器症状、めまい、ふらつきなどの自律神経症状があらわれます。また、リバビリンを服用すると精子や卵子に異常が出現する危険性がありますので、治療中と治療後6ヵ月間は必ず避妊するようにしてください。なお、65歳以上で糖尿病や高血圧の治療を受けている場合は、脳血管障害を併発する危険がありますので、治療を行うかどうか主治医とよくご相談ください。
- ※1 間質性肺炎
呼吸を司る肺組織(肺胞)と毛細血管との間の間質という部分に起こる肺炎。 - ※2 血小板
血液の一成分で、止血に重要な役割を果たし、過剰に減少すると出血しやすくなります。主に肝臓で作られるため肝臓の線維化の指標にもなっています。 - ※3 ヘモグロビン値
血液中の赤血球に含まれる色素の量で、リバビリンは10g/dL以下に低下したら減量し、8.5g/dL以下の場合は中止します。
インターフェロンの副作用
| 発現時期 | よくみられる副作用 | 注意が必要な副作用 |
|---|---|---|
| 初期 (1週間以内) |
インフルエンザ様症状 (発熱・悪寒・全身倦怠感・頭痛・関節痛など) 食欲不振 発疹・かゆみ |
|
| 中期 (2〜12週) |
全身倦怠感 食欲不振 不眠 不安・イライラ感 |
抑うつ状態 間質性肺炎 (咳・呼吸困難・息切れなど) 糖尿病悪化 |
| 後期 (3ヵ月以降) |
脱毛 | 甲状腺機能異常 (動悸・発汗・むくみなど) |
| 検査値異常 (治療期間中) |
貧血 白血球減少 血小板減少 |

