監修:国家公務員共済組合連合会 虎の門病院 分院長
熊田 博光 先生
大阪大学大学院医学系研究科 消化器内科学 教授
林 紀夫 先生

どのような治療法がありますか?
C型慢性肝炎の治療には、C型肝炎ウイルスを体内から排除して完全治癒を目指す原因療法と、肝機能を改善して肝炎の悪化を防ぐ対症療法(肝庇護療法)があります。
- 林 : C型慢性肝炎の治療は、C型肝炎ウイルスを体内から排除して感染からの治癒を目指す原因療法と、肝機能を改善して肝炎の悪化を防ぐ対症療法(肝庇護療法)があります。
原因療法にはどのようなものがありますか
- 林 : 原因療法としてはこれまでインターフェロン単独療法、ペグインターフェロンアルファ-2a単独療法、インターフェロンアルファ-2bと内服の抗ウイルス薬リバビリンの24週間併用療法でした。新たにペグインターフェロンとリバビリンの併用療法※が受けられるようになり、より高い効果が期待できるようになりました。
※投与期間は、ウイルスのジェノタイプが1型でウイルス量が多い患者さんの場合は通常48週間で、それ以外の患者さんでは通常24週間です。
対症療法(肝庇護療法)にはどのようなものがありますか
- 林 : 対症療法(肝庇護療法)には様々な方法がありますが、AST(GOT)値やALT(GPT)値を確実に下げることがわかっている薬剤はグリチルリチン配合剤とウルソデスオキシコール酸の2つです。グリチルリチン配合剤の注射は、最初は連日投与して、AST(GOT)値、ALT(GPT)値が下がってくれば最低週3回の投与間隔にすることができます。ウルソデスオキシコール酸は錠剤の飲み薬で1日3回毎日服用します。これらは肝炎の鎮静化を目的としたもので、ウイルスを排除する効果はありませんので、ウイルスを排除できる可能性がある患者さんに対しては、まず原因療法であるペグインターフェロンとリバビリンの併用療法、インターフェロンとリバビリンの併用療法あるいはインターフェロン単独療法を考慮するのが原則です。
C型慢性肝炎に対する原因療法と対症療法

●原因療法…C型肝炎ウイルスを
体内から排除して完全治癒を目指す
インターフェロン(注射)
インターフェロンは本来私たちの体の中でつくられる蛋白質で、ウイルスの増殖を抑える働きをもっています。これを薬として応用したのがインターフェロン製剤です。
ペグインターフェロン(注射)
従来のインターフェロンにポリエチレングリコール(PEG)という物質を結合させることによりインターフェロンを血中に長く留まらせ、これまで週3回の投与が必要だったインターフェロンを週1回の投与で済むよう改良されたものがペグインターフェロンです。
リバビリン(内服)
インターフェロンと併用することによりインターフェロンのウイルス排除効果を増強します。カプセル剤で内服します。

●対症療法(肝庇護療法)…
肝機能を改善して肝炎の悪化を防ぐ
グリチルリチン配合剤(注射など)肝臓の細胞膜を強くすることによって肝細胞の破壊を防ぐ働きがあります。
ウルソデスオキシコール酸(内服)肝臓の血液の流れをよくする、あるいは肝臓にエネルギーを蓄積することによって肝機能を改善する作用があります。


