監修:国家公務員共済組合連合会 虎の門病院 分院長
熊田 博光 先生

ペグインターフェロン・リバビリン併用療法が可能な年齢はいくつまででしょうか。(68歳男性)
体力に個人差があるので一概には言えませんが、原則として70歳までを治療対象としています。70歳を超えると、副作用のために治療を続けることが困難になることが多くなるからです。一般に年齢が高くなるほど治りが悪い傾向にあるので、65歳以上の場合は慎重に取り組まなければなりません。なお、薬の副作用などで治療がつらい場合、すぐに治療をあきらめるのではなく、薬の量を減らしてでも、なるべく治療を中止しないで長く続けるほうが治療効果が高くなることがわかっています。

ペグインターフェロンは週1回投与と聞いていますが、ペグインターフェロン・リバビリン併用療法と仕事との両立は可能ですか。(52歳男性)
治療開始から2週間は原則として入院治療となりますが、それ以降は仕事との両立は可能です。ただし、副作用には個人差があるので両立が難しい場合もあります。あまり激しい労働は難しいかもしれませんが、事務職ならおおむね大丈夫です。以前のインターフェロン治療では、週3回注射を打つ必要がありましたが、ペグインターフェロンは週1回の注射で済むようになりました。医療機関に足を運ぶ回数がぐんと減ったので、仕事と両立させている方も大勢いらっしゃいます。

インターフェロンは有効と聞いていますが、どのような患者さんに有効なのか事前にわかりますか。見分けるための検査や方法はあるのでしょうか。(70歳女性)
ウイルス遺伝子のタイプとウイルス量によって、治療法と治療効果はそれぞれ異なります。ウイルスの遺伝子型と量は、事前に血液検査で調べることができるので、その結果をもとに患者さんの治療法を決めていきます。

肝生検をしなくてもインターフェロン治療を受けることができますか。(64歳男性)
受けることができます。その場合、血小板の数と肝機能検査の数値(ALT値など)が、治療開始のタイミングをはかる目安になります。

インターフェロン治療開始時期の目安は何かありますか。(61歳男性ほか)
インターフェロン治療は、血小板数や肝機能検査の数値等を参考に決めています。血小板数は、肝臓の線維化の進み具合を知る目安になります。血小板数が15万/mm3未満でALT(GPT)が31IU/L以上の場合は、すぐにインターフェロンによる治療を始めた方がよいと考えられます。血小板数が15万/mm3未満でALT(GPT)が30IU/L以下の場合は、できれば肝生検を実施して線維化の進み具合と炎症の状態を確認し、一定の基準より進んでいればインターフェロンによる治療をすることになっています。一方、血小板数が15万/mm3以上でALT(GPT)が31IU/L以上の場合は、65歳以下であればインターフェロンによる治療の適応です。血小板数が15万/mm3以上でALT(GPT)が30IU/L以下の場合は、とりあえず様子を見て、ALT(GPT)が30IU/Lを超えるようになればインターフェロンによる治療の対象になります。ただし、これは目安であり、年齢や合併症の有無なども考慮して、総合的に判断しなければなりません。

C型慢性肝炎は完治しますか。(45歳女性)
C 型肝炎ウイルスが体から完全に排除された状態を完治と言いますが、現在そのための治療として行われているのが、インターフェロンを使った治療法です。インターフェロンを使った治療にはいくつか種類がありますが、ウイルス遺伝子のタイプやウイルス量に応じて治療法を選ぶようにガイドラインで定められています。これまで治療が難しいとされてきた、ウイルスタイプが1b型でウイルス量の多い人でも、ペグインターフェロンアルファ-2bとリバビリンの併用療法を48週間続けると約50〜60%の人がウイルスを完全に排除することに成功して、完治しています。

ペグインターフェロンとリバビリンの併用療法による、ウイルス排除効果、肝がん進展抑制効果、生命予後の改善についてはどうでしょうか。(40歳女性)
治療効果はウイルス遺伝子のタイプとウイルス量によって異なります。初めてインターフェロンを使って治療する人では、1b型でウイルス量が多い場合は48週間の治療で約50〜60%、2a型または2b型でウイルス量が多い場合は24週間の治療で約90%の人が、ウイルスを完全に排除することに成功して、完治しています。完治した場合、新しく肝がんができることはまずありません。ただし、検査精度の限界から、見つけることのできなかった小さながんが治療前からできていた場合もあるため、完治後も定期的な検査が必要です。また、ウイルスを完全に排除できなかった場合でも、約90%の人で肝機能(ALT値)が改善しています。肝機能が改善すれば、肝硬変や肝がんに進展しにくくなることがわかっています。ペグインターフェロンとリバビリンの併用療法は、肝がんの発生を抑制し、生命予後を大きく改善するものです。

