C型肝炎学術講演会

《講演2》
New Insight into Ongoing and Future Trials
with Pegylated IFN+Ribavirin
演者:Rafael Esteban-Mur, MD
Professor,Head,Internal Medicine and Liver Unit,Hospital
Universitario Vall d'Hebron Barcelona,Spain
演者のEsteban氏は、「PEG-IFNα-2b+リバビリンの併用療法は、世界的な標準的治療法であり、欧米ではC型慢性症例に投与した場合61%のSVRが得られることが報告されている」と語った。次に、併用療法では個々の患者さんの体重を考慮してリバビリンの投与量を調節することが重要であると指摘し「投与量を体重で調節した群のSVR率は、調節しなかった群よりも高くなる」というデータを示した。
次に、PEG-IFNα-2bとPEG-IFNα-2aの薬物動態の差異について指摘し、両剤の二重盲検比較試験(M Silva, et al.: AASLD 2004)について解説した。この比較試験では、PEG-IFNα-2b(1.5μg/kg/週)とPEG-IFN α-2a(180μg/週)は、それぞれ通常の推奨用量を投与しているが、投与初期28日目における両剤の抗ウイルス活性と好中球数の変化を比較したところ、α-2aと比較してα-2bの抗ウイルス活性は明らかに高く、好中球の減少も少なかった(図3)。この結果について演者は「それぞれの患者さんの体重を考慮して適正な用量を投与することが重要である」と述べた。
また、現在進行中の重要な試験としてEPIC3について解説した。EPIC3は、肝の線維化がかなり進んだ症例(F2、F3)や肝硬変(F4)の症例、過去のIFNとリバビリン併用療法で無効であったいわゆる難治症例を対象にPEG-IFNα-2b+リバビリン併用療法を、両剤ともに体重毎に用量調節して実施されている。また、治療12週目でウイルスの陰性化がみられなかった症例には、PEG-IFNα-2bの低用量長期投与を行って肝硬変あるいは肝癌の予防効果を検討する試験になっている。その中間発表(T Poynard,et al.: AASLD 2004)をみると、治療12週目でearly virologic response (EVR)が得られた症例は全体で64%、ウイルスの陰性化がみられた症例は39%であった(図4)。この結果について演者は「EPIC3の対象はいずれも難治度の高い症例であり、この結果は体重毎に両剤ともに用量調節されたPEG-IFNα-2b+リバビリン併用療法の有用性を示すものとして、大いに期待できる」と述べた。最後に今後の課題として、「併用療法においてもウイルスの陰性化がみられなかった患者さんに対するProtease Inhibitors、Polymerase Inhibitors、Helicase Inhibitorsの有効性と安全性を検討することが急務である」と述べて講演を終えた。
図3 PEG-IFN α-2bとPEG-IFN α-2a投与後の好中球数の変化

M Silva, et al.:AASLD 2004
図4 EPIC3におけるEVRとウイルス陰性化の割合
(治療12週目、対象:1,122例)

T Poynard, et al.:AASLD 2004


