病診連携レポート Case Study 2【群馬県】

具体的な手立てを用意し、実行していく

語り手 群馬大学大学院医学系研究科病態制御内科学 肝臓代謝内科 准教授 高木 均 先生

患者さんの啓蒙のため、積極的な働きかけが必要

インターフェロン治療を拒否する患者さんに対しては、さまざまな働きかけをする必要があります。以下に対策をまとめました。

  • ・ 肝臓病教室を開き、C型肝炎、肝硬変、肝がんなどの病気に対する基礎知識を持ってもらう
  • ・ 実際に治療中の患者さんとコミュニケーションをとる機会を設け、不必要な恐怖感をぬぐい去る
  • ・ 民間療法の問題点を示し、民間療法に逃げている患者さんの自覚を促す
  • ・ 患者さんの治療体験談の冊子を作り、読んでもらう
  • ・ 現状での最良の治療法であることを理解してもらう
  • ・ 週1回の注射と経口薬で、難治とされてきた1b型高ウイルス量でも、50〜60%でウイルスの消失に成功している事実を示す
  • ・ 副作用対策について説明する

こうした内容を地元医師会と連携して、患者さんに啓蒙していく必要があります。

紹介患者の症例を講演で取り上げる

2007年度も各地域の医師会と協力して、肝炎をテーマにした講演会を開催します。2007年度からは、新しく症例を盛り込むことにしました。とくに、その地域で紹介された患者さんの例についてお話すると、非常に効果があると実感しています。

また、難治例で奏効した症例も説得力を持ちます。血小板が6万/mm3にまで減少したため、脾(ひ)臓の動脈塞栓術を実施したうえでインターフェロン治療に入った例や、再投与でウイルス陰性化に至った例などを取り上げています。

さらに、インターフェロン治療は、根治だけでなく発がん抑制にも役立つこと、実年齢よりも肉体年齢を重視して高齢者にも実施できる場合があること、漸減法、用量調節により高齢者にも安全に導入できることなども詳しく説明しています。

クリニカルパスを示し、診療所をフォロー

病診連携を推進するため、診療所の医師に対して、クリニカルパスも提供しています(図3)。慢性肝炎、肝硬変、インターフェロン治療、肝がん治療後と病状に応じて必要な検査のタイミングを明記しました。

また、群馬大学医学部附属病院では、治療日誌(群馬県済生会前橋病院で作成したものを活用)を患者さんに渡し、服薬のチェックとともに、治療中の患者さんの状態を書き込んでもらうようにしています。医師が患者さんの状態を把握するのに役立つのはもちろん、患者さん自身も治療の励みになっているようです(図4)。

この治療日誌は各施設ごとの考え方がまだ統一されておらず、すべての患者さんに行き渡っているわけではありません。C型肝炎に限らず、肝臓の病気別にひな型を用意して、群馬県として統一したものを使えるようにしていきたいと考えています。

図3. 肝疾患クリニカルパスの一例

血液検査 エコー 胃食道
内視鏡
血算 肝機能 AFP/PIVKAII AFP.L3
(AFP上昇例)
慢性
肝炎
肝機能
正常
3/Y 3/Y 1/3M交互 1/3M 1/6M 1/1〜2Y
肝機能
異常
1/1-2M 1/1-2M 1/3M交互 1/3M 1/4M 1/1〜2Y
肝硬変 1/1-2M 1/1-2M 1/3M交互 1/3M 1/3-4M 1/1〜2Y
IFN
治療
通常型     1/3-4M 1/3M 1/4M 1/1〜2Y
Peg型
α2a
1/W 1/2-4W 1/3-4M 1/3M 1/4M 1/1〜2Y
Peg型
α2b
1/2-4W 1/2-4W 1/3-4M 1/3M 1/4M 1/1〜2Y
肝癌治療後 1/M 1/M 1M 1/3M 1/3M 1/1〜2Y

図4. 治療日誌
図4. 治療日誌

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